あのベース用定番コンプが正統進化!EBS”MultiComp BlueLabel”
2020.05.18 エフェクター紹介ベーシストがエフェクターを使用する場合、真っ先に候補に上がるのはコンプレッサーでしょう。
また数あるコンプの中で実績もあり、愛用者も多いのはEBS Multicompではないでしょうか?
こちらのコンプは純粋に音の粒を揃えるだけではなく、通して聴く事で音圧を高めたり、ベースの音に温かみや艶を出す役目も果たします。
MultiComp独特の音を好む人も多く、コンプとして使用せずに、味付けとして使用する人も多いです。
指弾き、ピック弾き、スラップとベースの奏法は沢山ありますが、どの奏法にも活かす事が出来ます。
ちなみにベース本体の音が気に入っており、原音重視の場合は、他のコンプをおススメします。それだけMultiCompはどのベースに繋いでも、EBSらしい音が得られるのです。
大抵はMultiComp単体で使用するベーシストは少なく、更にサンズのプリアンプを使用する等、他にもエフェクターを使用するケースが殆どかと思われます。
2019年には新型のMultiComp BlueLabelが発売しています。
MultiComp Blue Labelの概要
EBSはベーシストの為に創業された老舗ブランド。1988年にスウェーデンで創業され、社員は皆ベーシストと言う噂まであります。
ベースに特化したエフェクターが多く、コンプや歪み、chorus等、様々な種類が発売され、どれも高い評価です。
MultiComp BlueLabelにはツマミが3種類あります。
SENS
コンプがかかるレベルを決める。
右に回せば感度が上がり、小さい音でもコンプがかかります。その為全体的な音量が下がります。
左に回せば感度が下がり、大きい音にのみコンプがかかります。その為全体的な音量は上がります。
SENSは奏法の違いによる音量の差を調整出来ます。例えばスラップで丁度良い設定にしていても、次の演奏曲が指弾きの場合はどうしても音量に差が出ます。そんな時は左にSENSのツマミを回します。後述しますが、以前の型は音量の調節には裏蓋のトリマーを調節する必要があり、かなり手間でした。
COMP
コンプのかかり具合を調整します。
左に回すとかかりは弱く、右に回すと強くなります。あまりコンプをかけすぎると、繊細な音の違いも全て圧縮してしまうので注意です。
GAIN
最終的な音量の調整です。ブーストとしての役割も果たします。
設定する順はSENS→COMP→GAINで行うと良いでしょう。旧型の方が音が良かったと思う人はSENSを12時の位置に設定する事で、従来の音も再現出来ます。
さらに、スイッチで切り替えられるモードが3つ。
NORMAL
一般的なコンプ効果が得られます。良くも悪くも味付けがなく、純粋に音の粒を揃えます。傾向として音に締まりが出て、タイトに感じます。
TUBESIM
真空管を通したようなザラツキ(倍音)を音色に付加します。TUBESIMの音がMultiCompの音を指す事が多いです。
MB
このモードを設定するには裏蓋を開ける必要があります。こちらは音域ごとにコンプの効きを調節する機能です。こちらは内部トリマーと呼ばれ、ネジを回す事で調整可能です。
時計回りに回すと低音域が弱くなり、高音域のコンプの効きが強くなります。反時計回りに回すと低音域が強くなり、高音域のコンプの効きが弱くなります。
更に側面にはPassiveとActiveを切り替えるボタンがあります。MultiCompの前にエフェクターをかませている場合はActiveになります。
Studio Editionとの違い
BlueLabelの前の型はStudio Editionと呼ばれ、こちらの方が元々は主流でした。当然リニューアルされているので、いくつか違いがあります。
まずStudio Editionはツマミは2つであり、SENSはありませんでした。
旧型は12Vでしたが、Blue Labelは18Vの高電圧駆動にも耐えるようになりました。9Vのアダプタでも使用可能ですが、18Vの方が音割れがしにくく、音がクリアに聴こえます。
サイズが旧型に比べると12%程スリムになり、ボードで場所を取らなくなりました。旧型はジャックの差し込み部分が出っ張っていましたが、Blue Labelは凹んでいるので、差し込みやすいです。
※Studio Editionよりも更に初期の場合は、何故かインプットとアウトプットが逆になっており、ボードに組み込むには大変だったとの事。音だけでなく、ビジュアル面や機能面も改善されています。
更に内部トリマーがStudio Editionの場合は「LO」「HI」の2つありました。こちらはSENSのツマミがあるので、必要なくなった部分です。
まとめるならBlueLabelはStudio Editionの使いやすさを継承しつつ、音作りの幅を更に拡大させたエフェクターと言えます。正統進化と呼ぶのに相応しいですね。
MultiCompの愛用者
EBSのMultiCompは多くの使用者がいますが、BlueLabelは昨年(2019年)発売されたばかりです。下記に挙げる愛用者はおそらくStudio Editionを使用しているものと思われます。
これからBlueLabelを使うベーシストも増えていくでしょう。
国内ではELLEGARDENの高田雄一、KANA-BOONの飯田祐馬、L’Arc-en-Cielのtetsuya、official髭男dismの楢﨑誠、SuchmosのHSU、THE BACK HORNの岡峰光舟、凛として時雨の345等は使用が確認出来ます。
海外ではDirty LoopsのHenrik Linder、Rage Against the MachineのTim Commerford等が使用しています。
【まとめ】
今回はコンプの代表とも言えるEBSのMultiCompの最新版であるBlue Labelの紹介をしました。
コンプとしてだけでなく、通すだけで独特のサウンドが得られる為、持っていて損のないエフェクターです。
旧型のStudio Editionと比べるとツマミも増えて、より幅広い音作りが可能となりました。
日本海外問わず多くのベーシストが愛用している逸品なので、もしライブに足を運ぶ際は、ベーシストの足元を確認してみてはいかがでしょうか?