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【エフェクター入門】フランジャー編

エフェクター入門

今回のエフェクター入門は、フランジャーについて!フランジャーというと歪み系やディレイなどと比べて使用する機会が少なく、同じモジュレーション系タイプに属するフェイザーなどと区別がつきにくい方もいるのではないかと思います。しかしフランジャーが出す独特なエフェクトは唯一無二の世界観を作り出してくれるんです!
それでは張り切ってどうぞ!

フランジャーとは?

モジュレーション系や揺らし系と言われるタイプに属するエフェクターです。(空間系にひとくくりにされることもあります)Modulationは日本語に訳すと「抑揚」という意味になります。まさしく音に抑揚をつけて独特なうねりを出す特徴的なエフェクターです。

フランジャーの仕組み

フランジャーと同じモジュレーション系に属するエフェクターとしてコーラス、フェイザーなどもあげられますが、基本的にはこれらは全てディレイ音を加工して作り出しているものなのでディレイの仲間であると言えます。
フランジャーの場合はディレイ音のディレイタイムが0.5ミリ秒(0.0005秒)~5ミリ秒の間と非常に短く、フィードバック(反復する回数)が多めに設定されています。さらにそのディレイタイムを周期的に変化させることで原音とディレイ音が強まったり打ち消しあったりして独特なうねりが生まれるのです。

フランジャーのコントロール

フランジャーを操作するパラメータは以下の通りです。

①レイト(またはスピード)

揺れの早さを調整するもので、レイトを上げるほど早く細かい揺れになります。

②デプス(またはウィドゥス)

揺れの深さを調節するもので、デプスを上げるほど大きく深い揺れを作ることが出来ます。

③レベル(またはバランス)

エフェクトした音をどれくらい混ぜるかを設定します。

④ディレイ・タイム(またはマニュアル)

エフェクトがかかり始める周波数を設定します。ここで設定した帯域を基本としてフランジャーがかかります。

⑤フィードバック(またはピーク、レゾナンス)

フランジャーの効果の強さを調節します。上げるほど癖の強いうねりになります。

ジェットサウンドの作り方

フランジャーの説明で必ず出てくるワードの一つに「ジェットサウンド」というものがあります。名前から想像できる通り飛行機やジェット機の「ゴーッ」と鳴る轟音に似ていてとても迫力のあるサウンドです。
ギターに強い歪みをかけてから深い揺れとフランジャーの効果を強く出すのがポイントで、デプスやフィードバックの値を高くするとこのようなジェットサウンドを作ることが出来ます。
ちなみにディレイと同様に、フランジャーにもアナログとデジタルの2種類があり、ジェットサウンドを作る場合はデジタルの方がより金属的な音を作ることが出来ます。

おすすめフランジャー

electro-harmonix / NEO mistress

アメリカの老舗エフェクターブランドです。空間系に強いことで定評があります。
コントロールがRATEとFEEDBACKの2つしかないのでとても簡単かつ直感的に操作できますし、値段も比較的安価に手に入れることが出来ます。
サウンドは大人しめのものから激しいジェットサウンドまで幅広く調節可能ですが、あくまで原音を潰さないのが特徴です。また、RATEを11時よりも下に下げると「フィルター・マトリックスモード」というものに切り替わり、フランジャーの揺れを途中で止めたようなサウンドになるのも特徴です。
フィードバックを強くかけるとエグいくらいフランジャーの効果がかかるので、飛び道具的なものが欲しい方にもおすすめです。

tc electronic / VORTEX MINI FLANGER

デンマークの老舗エフェクターブランドです。こちらも空間系のエフェクターに定評があります。
コントロールはSPEED 、DEPTH 、FEEDBACK の3種類のみのデジタルフランジャーです。強い歪みに加えて揺らぎの速度は低めに、深度は深めに、エフェクト効果は強めに設定するとかなり迫力のあるジェットサウンドになります。
また、TonePrint対応でPCやスマホに接続して世界中のプロギタリストによってカスタムされたエフェクトを移植したり、自分でカスタムした音を移植したり、これ一台で様々なサウンドを楽しむことができるのも面白い特徴です。
ボディもかなり小さいのでボードの中に収めやすいのもありがたいところです。

old blood noise endeavors / FLAT LIGHT

こちらもアメリカのエフェクターブランドです。マニアックなエフェクターを数多くリリースしておりデザインも独特なものが多いです。
このFLAT LIGHTもかなり個性派なフランジャーです。
まず中心にあるトグルスイッチでDETUNE、RESONATE、ECHOの3種類のエフェクトモードを切り替えることが出来ます。
DETUNEモードでSHIFTノブを12時ころに設定すると「デチューンサウンド」というものになります。これはピッチが少しずれた音が原音に加わることでとても不思議なサウンドになります。
RESONATEモードではコーラスのようなエフェクト効果が得られます。
ECHOモードではディレイ音が加わってとても響きのあるサウンドになります。
各エフェクトモードによってノブの役割が変わってくるので使いこなすのは少々難しそうですが、3種類ともそれぞれかなり違った個性を持つので色々なサウンドを楽しむことができます。
また、2つのフットスイッチのうちTILTスイッチは踏み続けるとRATE、またはSHIFTのどちらかが最大設定になります。さらにエクスプレッションペダルを接続すれば最低から最大まで柔軟に変化させることができ、演奏しながらなめらかなサウンドの変化を楽しむことができます。

まとめ

フランジャーはあまり必要になる機会がないので、中級者以上の方でも持っていないという方も多いと思います。ただ、そのサウンドの持つ魅力はぜひ体感していただきたいです。最後におすすめしたFLAT LIGHTの公式動画がフランジャーの魅力を最大限に引き出していてとても惹きこまれます。こちらはベースにフランジャーをかけているのですが、まるで飛行機が飛び立っていくようなとてもエモーショナルなサウンドになっています。

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