ASIANでKUNG-FUなベーシスト!山田貴洋のエフェクター紹介!
2020.06.05 アーティスト特集ASIAN KUNG-FU GENERATIONは1996年に結成されたバンドです。日本のロックシーンに大きな影響を与え、米津玄師等もファンである事を公言しています。
作詞作曲はボーカル&ギターの後藤が担うものの、山田貴洋のアイデアやベースラインから生まれた楽曲(サイレンやアフターダーク等)も多いです。onコードの曲も多く、これらは当初は後藤はオシャレすぎて嫌だったのですが、10年かけて好きになりました。ちなみに好きなコードはF♯mであり、自閉探索や君という花にも活用されています。
近年ではイエローという楽曲でボーカルも担当しました。
演奏方法
バンドの土台作りに徹するフレーズが多いです。派手さは少ないものの、要所で自分を主張する事が多いです。山田は常にピック弾きであり、ゴリゴリと粒の揃った音が特徴です。
特に「遥か彼方」の冒頭のベースソロは印象的でした。この曲は1st ALBUMの1曲目であり、この曲を通じて山田のファンになった人も多いでしょう。
使用エフェクター
Multiband Compressorを通ってから、各種エフェクターに繋がります。バッファはCAE RS442を使用し、電源はCAJ AC DC Station Ver.2です。
以前はBOSS Line Selector LS-2にてラインの切り替えをしていましたが、現在はCAE RS442に変更しています。
① RT ElecTRonix Multiband Compressor
完全独立式のマルチコンプ。通常のコンプよりも細かい調整が可能で山田の代名詞です。
原音のニュアンスをしっかりと残しつつ、サウンドを整えてくれます。
ツマミは7種類です。
Comp: コンプの量を調整
Trim: 各帯域±15dBの調整
この調整はLow”, “Mid”, “High”のツマミに分けられており、好みの位置の音域をブーストやカット出来ます。
残る1つはOutput:音量の調節です。
Shape: トーン変化による音の調整(3種類)
こちらで物足りない場合はPushにてコンプのサウンドをより太く出来ます。
ツマミは多くても操作はシンプルな為、世界で最もコンパクトで、手の出し易いマルチコンプとも呼ばれています。
② MXR BASS DI M-80
定番のプリアンプですね。低音の分厚さが特徴的であり、楽曲の低音域を支えます。
特徴としてクリーンとディストーション。1台で2チャンネルを切り替える事が可能です。MXRの場合は歪みのチャンネルを選ぶ事が多いでしょう。歪みを経由するとノイズが気になりますが、ノイズゲート機能が搭載されているので、問題はありません。
またBlendにより原音と歪みを調節出来るので、音痩せにも対応しています。
ツマミは7つあり、BASS MID TREBLEは2チャンネル共通。クリーン用のツマミはVOLUMEのみですが、ディストーション用のツマミは4つ(VOLUME、BLANCE、TRIGGER、GAIN)とより幅広く音作りが可能です。
③ BOSS BB-1X Bass Driver
ベース用ドライバー。プリアンプとしても歪み系エフェクターとしても使用可能です。歪みの系統としては同社のODB-3が比較対象になります。
MXR BASS DI M-80と比較すると音質補正や音圧UP等、ナチュラルな補正です。
ツマミは
LEVEL/BLEND:4種類全体の音量を調節するLAVELと原音とエフェクト音の混ぜ具合を調節するBLENDが同じツマミに存在。
LOW:低音域のトーン
HIGH:高音域のトーントーン
DRIVE:歪みの量(12時より量を増やすと歪みがより著明に)
となります。
特徴としてLINE OUT端子が搭載されており、音色をライン出力用に変換出来ます。
④Darkglass Electronics Microtubes B7K Ultra V2
様々なジャンルに使えるベース用プリアンプ。人気のあったMicrotubes B7K Ultraが改良されたものです。旧型とV2があり音等に大きな変化はなく、IRを搭載出来る点やヘッドフォン端子がついた分V2の方がメリットは大きいです。
歪みにも使えダークで冷たい印象。真空管を通した様な暖かみはありませんが、MXRとはまた違ったニュアンスが出せます。またクリーンシグナルもあり、こちらはナチュラルな印象です。
ツマミは8種類
コントロール用として
MASTER:B7K Ultra全体の音量
Blend:クリーンとオーバードライブの割合調整
Level:オーバードライブの音量
Drive:オーバードライブのサチュレーション
Bass:100Hzの±12dBの音域の調整
Lo Mids:250Hz、500Hz、1kHzから選択した音域の調整
Hi Mids:750Hz、1.5kHz、3kHzから選択した音量の調整
Treble:5kHzの±12dBの音域の調整
音域の選択はツマミの近くで簡単に切り替えが可能です。
またアタック感もBOOST、FLAT、CUTから選べるので、指弾き、ピック弾き等の状況に合わせて音色を変えられます。
⑤SOURCE AUDIO Soundblox Bass Envelope Filter
ベース用エンペロープフィルター。現在は生産終了しています。
多種多様な音を選べ、低音域もMIXノブのおかげで劣化しません。
EFFECT TYPES:23種類のエフェクトの変更
SWEEP RANGE:エフェクトの周波数の調整
FREQUENCY:強調する音域の調整
SPEED:立ち上がりと減衰時間の調整
MIX:原音とエフェクト音の調整
PRESET BANK:音の記憶を行う
MOD SOURCE:モジュレーションの種類の選択
TAP TEMPO ENABLE:LFO選択中にボタンを押す事でモジュレーション速度を調整する
等、本当に細かく調整が出来ます。各エフェクトに対して音作りが出来るので、バンドの中で埋もれる事無くベース音を主張出来ます。
⑥Bass Chorus CEB-3
BOSSの定番コーラス。音はエグくなく、数あるエフェクターのなかでは標準的です。操作もシンプルであり、初めて使用するベーシストにもおすすめです。リードギターの喜多との兼ね合いで、山田はコーラスもCEB-3を選んだのかもしれません。
ツマミは4つです。
音量を設定する
level:音量の設定
LOW FILTER:コーラスをかける音域
RATE:深みの調節
DEPTH:音の揺れ具合
低音域に揺れが発生すると違和感や気持ち悪さに繋がる事もありますが、CEB-3にはLOW FILTERがあり、高音域に絞ってエフェクトをかけられます。これは他のコーラスエフェクターにはない差別点です。
⑦tc electronic POLYTUNE
全ての弦をまとめて表示するチューナーです。開放弦で鳴らせば、全てのチューニングが行えるので、大幅な時間短縮となります。精度も±0.1セントまで対応しズレる心配はありません。
直射日光下でも視認可能なので、フェスでの使用も問題なし。更にライトセンサーにより周囲の環境で明るさが自動調整されます。
まとめ
今回はASIAN KUNG-FU GENERATIONのベーシスト 山田貴洋のエフェクターについて紹介しました。ベーシスト歴は長いのですが、割とエフェクターについては大きな変化はない様子です。現在は生産終了しているエフェクターも多いのですが、これらのエフェクターを使う事で山田の音に近づけるのではないでしょうか。今回の記事が参考になれば幸いです。