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【エフェクター入門】ディレイ編

エフェクター入門

空間系エフェクターの代表格は?と言えばディレイを想像する人も多いのではないでしょうか。他の空間系エフェクターであるトレモロやリバーブと比べても耳にする機会が多く、サウンドをイメージしやすいかと思います。有名どころで言えばU2のギタリスト、ジ・エッジが得意として多用しているほか、アジカンのソラニンという曲などでも使われていますね。今回はそんなディレイについて解説していきたいと思います。

ディレイとは?

delayは日本語に訳すと「遅延」という意味の通り、出力音と同じ音がやまびこのように遅れて聞こえてくるというエフェクターです。アルペジオに使用すると空間が広がったような美しい響きになりますし、速弾きに使用すると密度の濃い迫力のある演奏になるなど使い方次第で様々な効果を発揮してくれます。

ディレイの仕組みと使い方

ディレイは原音となる音と、それを反復していく音とが組み合わさってできます。
ディレイを作り出す要素として以下の3つがあります。
①エフェクトレベル
②ディレイタイム
③フィードバック(またはリピートとも言う)

①エフェクトレベルは反復する音の音量、②ディレイタイムは次の音が出力されるまでの時間、③フィードバックは反復する音の再生回数です。これらの設定を変えることでショートディレイやロングディレイなど様々な雰囲気のディレイ音を作ることができます。

エフェクトレベルはある程度は上げておかないとバンドサウンドの中では埋もれてしまうかもしれません。フィードバックも同様です。ただし上げすぎると不自然に目立ってしまうのでライブで使用する場合はバンド練習でしっかり合わせるようにしましょう。ディレイタイムは曲のテンポから計算することもできますが、自分の演奏するスピードと雰囲気に合わせて色々変えてみて決めるのが良いと思います。

ディレイの種類

ディレイにはアナログディレイとデジタルディレイの2種類があります。それぞれエフェクトをかける仕組みが異なり、サウンドにも違いがあります。YouTubeで弾き比べた動画など多数ありますので実際に聞いてみると違いが分かるかと思います。

デジタルディレイ

入力された音を録音してデジタル処理を施した音を出力しています。そのため、エフェクトされた音が劣化することなく原音に近い状態で出力されます。くっきりとした輪郭のあるディレイ音が特徴で「機械的」と表現されることもあります。
また、アナログよりもディレイタイムを長く設定できることが多く、ロングディレイに適しています。デジタルで様々な処理をすることができるので充実した機能を備えているモデルも多数あります。

アナログディレイ

入力された音をアナログからデジタルに変換することなく、そのままの信号を遅延させて音を出力しています。原音よりも劣化された音が出力されるので、デジタルと比べてもわっとした柔らかいディレイ音が特徴です。こちらは「暖かみがある」などと表現されることもあります。作られた音ではなく「自然なエコー」という感じです。

初心者おすすめディレイ

デジタルディレイ

BOSS / Digital Delay

誰のおすすめランキングにも必ず入ってくると思います。それほど優れたエフェクターでプロでも愛用している方がたくさんいます。数々のアップデートを経て現在ではDD-8が最新機種となっていますが、個人的にはDD-3あたりでも十分に使えると思います。
DD-3は通常のディレイ機能とHOLDというルーパーのような機能(最大0.8秒)がありますが、モデルチェンジごとに機能が追加されていき現在最新のDD-8では通常のディレイ音だけでなくアナログなディレイサウンドや、テープエコーを再現したビンテージなサウンドなど計11種類ものディレイモードが備わっています。ルーパー機能も最大40秒にまで伸びました。
ただ、その分相場が2万円弱と結構お高めです。DD-3であれば中古で6~7,000円くらいで購入できますので、欲しい機能と予算との兼ね合いになってきますね。

アナログディレイ

MXR / Carbon Copy Analog Delay

こちらはアナログディレイの定番モデルです。デジタルではない自然な、それでいてクセのない丁度良いディレイ音が耳に心地よく、長く愛されている機種になります。ノブが3つとシンプルで分かりやすく筐体サイズもコンパクトなので初心者でも扱いやすいです。コントロールの調整幅も広いので様々な楽曲に合わせて使えますし、MODスイッチを入れるとテープエコーのような揺らぎをかけることもできます。

多機能ディレイ

LINE6 / DL4

どうせ買うならいっぱい機能がついたディレイが欲しい!と言う方には多機能ディレイをおすすめします。特にこのLINE6のDL4というモデルはディレイモードがなんと16種類も搭載されています。ルーパーの最大録音時間は14秒、さらに逆再生や倍速再生などもできます。プリセットも3つまで保存できます。これ1台で困ることは無いと言える程充実した機能を持つディレイエフェクターと言えます。ただし難点なのは大きくて持ち運びには不便なところですね。

まとめ

今回はディレイについてのお話でした。ディレイを持っていると演奏の幅が広がりますし、コピーできる曲がぐっと増えるのでより楽器を楽しむことができるようになります。一度使うとそれまでの自分から一歩成長したような気分にもなれます。何より初めて使ったときのあのワクワク感を、ぜひ皆さんにも味わっていただきたいです。
それでは、良きエフェクターライフを!!

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