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もう手に入らない?Vintageエフェクター特集

エフェクター紹介

ヴィンテージ・エフェクターの魅力とは何でしょうか。サウンドの良さ?ブランドの歴史?希少性?
後継機や、より性能の良いモデルがあるにも関わらず欲しくなってしまうのは、やっぱりそのモデルにしかない良さがあるのかもしれません。
ボードに1つ入っているだけで自分の個性を引き出してくれる唯一無二の筐体たち。そんなロマンの詰まったヴィンテージ・モデルをいくつか紹介していきます!

Pro Co / RAT

ミシガン州にあるProCo Sound社によって1978年頃から製造され、数多くのモデルチェンジを経て今なお現行品が作られているほど長く愛され続けているエフェクターです。国内外問わず数多くの有名ミュージシャンも使用しており、プロ・アマ問わず選ばれ続けている印象です。
サウンドの特徴はやはり強烈な歪みにあります。モデルによって微妙にサウンドの違いはありますが、基本的にどれもRATの音がすると言われていますね。そのくらい一つの音にこだわり抜いたとも言えます。あまり使い勝手が良いというわけでは無いのですが、この音を使いたくなるような少年心をくすぐられるかっこよさがあると思います。
ちなみに、椎名林檎さん丸の内サディスティックという曲に出てくる「ラット1つを商売道具にしてるさ」という歌詞はこのRATのことなんですよ。

MXR / ZW-44 Wylde Overdrive

ザック・ワイルドのシグネチャーモデルとしてMXRから出されたモデルで現在は販売中止になっています。
ZW-44はシンプルで使いやすくとても汎用性の高いエフェクターです。ゴリゴリした歪みではなく良質な歪みという感じで、中音域の音の抜け感と伸びが良いのでリードのメインリフやソロを弾く際のブースターとして使う人が多いようです。先にあげたRATがプレイヤーの腕にかかる難しいエフェクターだとしたら、このZW-44は使うだけでギターが上手くなったように感じさせてくれるありがたいエフェクターです。
ドリームシアターのジョン・ペトルーシなども一時期ボードに入れていたことがあるようです。

SMOKY SIGNAL AUDIO / Tubeless

SMOKY SIGNAL AUDIOというメーカーのオーバードライブです。アメリカに渡って楽器や機材の制作を行っていた坂下拓氏が開発に参加していたことで有名です。とても悲しい話ですが坂下氏の不幸により現在は会社も畳んでしまっているため新しく生産されることはありません。元々の出荷台数も少ないため、なかなか手に入らない知る人ぞ知る代物と言えます。それ故に高価格で取引されていますが、ほとんど市場に出回っておらず見つけても大抵売り切れちゃってるので非常に入手困難です。
Tubelessと書きましたが厳密には「α(アルファ)」「β(ベータ)」「γ(ガンマ)」「δ(デルタ)」の4種類があります。それぞれ特徴がありますが、音抜けが最も良いのがβで当初日本にはβのみ輸入していたようです。
オーバードライブにカテゴライズされていますが、メインのドライブとして使うには歪みに少し物足りなさを感じるかもしれません。ですがこの機種の特徴は倍音にあり、音抜け効果が高いため存在感のある歪みを作ることができます。それだけでなく、ゲインを低くしてブースターとして使用するプレイヤーも多く、真空管アンプのようなクリーンな音を出すこともできます。別の歪みと合わせてブースターとして使うのが良さそうです。常時オンにして使うのもアリです。

HONEY/ Shin-ei / Uni-Vibe

Uni-Vibeは1960年代にHONEYという日本の会社で三枝文夫さんというエンジニアの方によって作られたエフェクターです。HONEYは60年代のうちに倒産してしまいますが、1970年代に日本の新映電気という会社が「Shin-ei」というブランドでUni-Vibeを引き継ぎました。その新映電気も75年に市場から姿を消してしまったので非常に謎の多い会社だと言われています。
コーラスとビブラートが重なったようなエフェクターで、フワンフワンとした不思議な音になります。ペダルを踏みこむことで音の揺れるスピードをコントロールする仕組みです。
よく「水の中で演奏しているよう」と例えられることがありますが、まさにそんなイメージです。独特な音の揺らぎが水面の揺れを連想させてくれます。使いどころは難しいかもしれませんが個人的にすごく好きな音です。
ちなみに三枝さんが一番はじめに着想を得たのは当時のモスクワ放送のノイズからなんだとか。興味がある方はデジマートが掲載している三枝さんへのインタビュー記事があり、かなり詳しく語られていますのでぜひ調べてみてください!
ジミ・ヘンドリックスピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモア、日本ではL’Arc-en-Cielのkenさんなども所有しています。

<復刻版>Shin-ei / Vibe 2 CHORUS/VIBRATO

この「Shin-ei」というのは日本のShin-ei ではなく、HONEYやShin-eiをリスペクトして作られたアメリカの会社です。上にあげたUni-Vibe以外にも過去の名器を忠実に復刻した製品を多数生産しています。
その中でもVibe-2というのは、このShin-ei製品の人気モデルである「Vibe-Bro」をより小さくコンパクトにしたもので、HONEYのUni-Vibeと同じ回路が使われています。
当時のサウンドを再現しつつ、機能面ではより現代的になったVibe2の方が扱いやすくお値段も(Uni-Vibeと比べると)安価なので手が届きやすいかもしれないです!

まとめ

以上、今回は独断と偏見で選んだ4ブランドから紹介しましたがまだまだ世の中には歴史のある名機が多数存在します。楽器屋に足を運んで店員さんに聞いてみるのもいいかもしれないですね!

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