日本のロックミュージシャンの先駆け!Char(チャー)特集
2020.04.28 アーティスト特集有名なアーティストの出している音を使っているエフェクターから紐解くアーティスト特集、今回はギタリストChar氏を紹介します。
来歴
Char氏はシンガー、ギタリスト、作曲家であり、ピンク・クラウド、PSYCHEDELIXなどのバンド活動を行っていました。
1976年6月、”NAVY BLUE”でデビューする以前からも当時スタジオミュージシャンにロックギタリストあまりいないためスタジオワークをしていたというChar氏は、日本のロックミュージシャンの先駆けと言えるでしょう。
使用エフェクター
1.KLON Centaur
Char氏が長年愛用していたこのエフェクターはすでに生産中止となっており「とにかく高いオーバードライブ」としてご存知の方も多いと思います。
このエフェクターはそれまで発売されてきたオーバードライブとは大きく異なる作り方をされており今ではよく聞くようになった”内部昇圧”を取り入れた事、”オーバードライブサウンドにクリーンのサウンドが混ざる回路”の2点を説明します。
内部昇圧とは9Vで駆動されているCentaurの電圧を内部で およそ倍である18V前後まで昇圧している事であり、これによりそれまでの9V駆動のオーバードライブより演奏者のタッチ、入力の大きさの強弱などのダイナミクスのレンジが大きく広がっているのです。
そしてオーバードライブサウンドにクリーンのサウンドが混ざる回路とは、ゲインコントロールに歪み量の増減に合わせてこれのミックス具合も半比例で増減するようになっており、ゲインを下げてブースターとして使えばアンプや他のエフェクターのサウンドに忠実にブーストする事が出来るのです。
つまりブーストしてアンプのキャラクターを強く出し且つ弾いた事に対してのレスポンスをさらに上げる事も出来るオーバードライブペダルであり、Char氏のような音の表情が豊かなギタリストにはうってつけのペダルなのであります!
2.Stafford x Maxon HizMax 1054TT
クロサワ楽器のオリジナルブランド、StaffordとあのTS808の基盤を開発したMaxonのコラボレーションによって生まれたオーバードライブペダルです。
このエフェクターはChar氏がこれまでに使ってきたアンプ、ブースター、オーバードライブ、ディストーションを総点検、そしてそのサウンドを徹底研究し、Char氏が魅力だと感じているロック・ギターのパワー感、音圧感、トーンキャラクター、使用感、ルックス、ネーミングセンスに応えて制作されたエフェクターで、まさにChar氏のために制作されたペダルであります。
このペダルのサウンドはCentaurの太さや歪み具合などのサウンド、ノブの可変域やボリュームのレンジがそのまま広がったものという印象を受け、現代のあらゆる機材と合わせても扱いやすいようになったものだと言えます。
また、Maxonは70年代にCentaurのベースとなったと言われており、当のChar氏も愛用していたペダル、”OD880 Over Drive Soft Distortion”というペダルを発売しており、このChar氏とのコラボレーションにうってつけのエフェクターメーカーであったと思います。
3.BOSS CE-1 Chorus Ensemble
※写真はCE-2W
CE-1 Chorus Ensembleは、BOSSにより1976年に発売された世界初のコーラスペダルです。
このエフェクターはプリアンプが搭載されており、独特のハイ落ちとコンプ感により丸みのある歪みが得られます。
そのプリアンプ部を説明すると、インプットをいじれるよう「High」と「Low」のスイッチがあり、これはキーボードやマイクを繋ぐための増幅回路のオンオフスイッチになっており、「High」にするとオンになるという仕組みです。一般的にギターに繋ぐ際はオフで繋ぐ事が想定されています。
そしてこれに付随する「Level」ノブがついておりスイッチを「High」にしてノブをいじるとこれがなかなか歪みます!ちなみにアメリカのジャズブルースギタリスト Robben Ford 氏や、 Red Hot Chili Peppersのギタリスト John Frusciante もその機能を活かしてCE-1を使っていた時期があります!
そしてコーラスサウンドはというと、JC-120のコーラスエフェクト部を抜き出して作られたというエピソードの通り、太く暖かみがあり広がりや奥行きも出るアナログコーラスといった音です。
4.BOSS OC-2 Octave
BOSSによる初のアナログオクターバーです!このペダルはそれまでの従来のオクターバーとは違うBOSS独自の回路設計をしたことにより、当時の他社によるオクターバーが持っていた原音が持つ倍音やニュアンスが損なわれる事という問題点を克服したものであり、またその設計を流行らせる要因になったペダルです。
このペダルの特徴は機械でありながら人間らしさが備わっているかのようなオクターバーサウンドであり、そのサウンドは自然でいて雑なサウンドと形容される事もあります。
まとめ
アーティスト特集 Char いかがでしたか。 往年の名機が多かったように思えますが実は、当時の最新の技術が結集されていて”今になって往年の名機と呼ばれるようになったもの”が多かったように思います。
この記事がみなさんの今後の音楽ライフに 少しでも役立つ事を祈っています!