異端にして定番!Electro-Harmonix特集!
2020.11.26 メーカー紹介あの老舗メーカーから新進気鋭のメーカーまで、国内外問わずご紹介する「メーカー紹介」。
今回はみなさんご存知、エレハモこと「Electro-Harmonix」を特集します!
概要
Electro-Harmonixは1968年のニューヨークにて、マイク・マシューズにより創設されました。
1971年には看板商品となる「BIG MUFF(π)」をリリース。
カルロス・サンタナやデヴィッド・ギルモアらに愛用され、一気にメーカーの知名度を上げます。
その後もビッグマフをはじめ数々のエフェクターをリリースしますが、1982年に会社が倒産。
メーカー名の権利も失うという状況の中、マイク・マシューズはロシアへ渡り「SOVTEK(ソブテック)」ブランドを立ち上げ再出発を図ります。
このブランドからリリースされたエフェクターは未だにカルト的な人気を誇り、一部はリイシューもされています。
現在はElectro-Harmonixとしてニューヨークに本社を置き、独自の発想で新たな製品を開発し続ける傍ら、近年は往年の名機たちのリイシューにも力を入れています。
ロックの歴史とともに歩み続ける、アメリカを代表するエフェクターメーカーのひとつです。
Electro-Harmonixのエフェクター
数あるエフェクターの中から、独断と偏見でピックアップしてご紹介します!
BIG MUFF(ビッグマフ)シリーズ
まずはお馴染み「BIG MUFF」。冒頭でもご紹介したとおり、エレハモの看板商品ですね。
その名を聞くと大きなシルバーの筐体に赤と黒のペイントのそれ(現行モデル)を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかしながら2020年11月現在公式サイトに掲載されている製品で「BIG MUFF」と名の付くエフェクターは10種類以上。
サイズダウンされたものや機能面がアレンジされたもの、ベース用のものなど、数々のBIG MUFFがラインナップされています。
また、現在は販売されていない所謂「ビンテージ」となったBIG MUFFたちも存在しています。
トライアングルやラムズヘッドなどの初期モデル、「ロシアンマフ」と呼ばれるCivil WarやArmy Greenなどなど、今なお高値で取引される人気のエフェクターです。
ここには書ききれない内容をまとめておりますので、
是非、「進化を続けるファズの代名詞、BIG MUFF(ビッグマフ)特集」の記事をご覧ください!
HOLY GRAIL
お次は「HOLY GRAIL」、分類としてはリバーブになります。
ジョン・フルシアンテが使用していることでも知られているエフェクターです。
ちなみに以前は銀色の大きな筐体でしたが、現在はサイズダウンされ「nanoシリーズ」として販売されているようです。
コントロールはリバーブ量を決めるノブと、SPRING/HALL/FLERBの切り替えスイッチのみ。非常にシンプルです。
SPRINGとHALLは一般的ですが、「FLERB」がエレハモらしいポイント。
フランジャーがミックスされたような、何とも言えないスペイシーなサウンドを作り出します。
FLANGER+REVERB=”FLERB”ということでしょうか。
現在このモデルに加え、「Max」、「Neo」、「Plus」など、機能違いの製品も展開されています。
POGシリーズ
続いては「POG」です。
POGとは「Polyphonic Octave Generator」の頭文字を取ったもので、ポリフォニック=和音に対応したオクターバーといったところでしょうか。
オクターバーというと原音にオクターブ下の音を加えるものが多いように思いますが、
POGはオクターブ下+オクターブ上の音を原音にミックスすることができるエフェクターです。
オーバードライブなどと組み合わせてギターソロにも使えますし、セッティング次第では12弦ギターやオルガン的なサウンドまで演出できます。
意外と(?)使い所が多いエフェクターではないでしょうか。
現在は「Nano POG」、「Micro POG」のサイズ違いの2機種と、
上下2オクターブに対応、プログラム機能なども付いた「POG2」がラインナップされています。
POG2はジャック・ホワイトなども使用していますね。
FREEZE
最後は「FREEZE」。これは分類ができない、エレハモ独自の製品ではないでしょうか。
弾いた音に無限のサスティンを与えるエフェクターです。「音をフリーズさせる」ということですね。
ゴキゲンなマイク・マシューズ氏に気を取られてしまう映像ですが、試奏動画を見ていただくと何となくその効果が分かります。
3タイプのモード切替スイッチとレベルのツマミのみのシンプルなコントロールです。
他のエフェクトと組み合わせると更に効果を発揮しそうです。先に書いたPOGなんかも面白そうですね。
ちなみにジョニー・グリーンウッドもペダルボードに組み込んでいたようですが、どの曲のどこで使っていたのか…
まとめ
Electro-Harmonix特集、いかがでしたでしょうか。
製作するエフェクターの数々が放つ強烈な個性により、創設者であるマイク・マシューズはしばしば「奇才」と称されます。
確かに異端だったり奇抜だったり、風変わりなエフェクターが多いですが、どれもプレイヤーの想像力を掻き立ててくれるように思います。
これからも変な(?)エフェクターを作り続けてくれることに期待です!