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真空管を叫ばせろ!TS808の系譜

エフェクター紹介

往年の名手達が使ってきた伝説のエフェクターを紹介するこのコーナー、今回は日本のギター、ベース、エフェクターのメーカー Ibanez から TS808 を紹介します!

TS808とは

Ibanes TS808
TS808とはIbanezが1979年に発売したオーバードライブペダルの名称であり、正式には Ibanez TS808 Tube Screamer Overdrive Pro といいます。
Tube Screamerというのは言い得て妙でこのペダルはまさに真空管アンプを叫ばせるために作られたものだと言えるでしょう。現在ではオーバードライブ界のスタンダードとなったこのペダルの回路をモチーフに数多くのペダルが出ており、それらを総称してTS系といいます。(Fulltone の FullDriveシリーズ や JHS Pedals の The Bonsai はその代表的な例です。)

使い方やサウンド

JC120などの真空管を使っておらず歪まないアンプに繋ぐのではなく、真空管を使っている出力を上げればクリップし歪みが起こるFenderアンプなどに繋いで音を出すのが一般的な使い方です。
アンプをプッシュして歪みを増幅させるようにできており、そのアンプの持っている音をさらに強く出せるようになるのが特徴です。
またこのような使い方をするペダルというのは他にもありますが、TS808のサウンドの特徴というのは”低域と高域が程よくカットされ中域が強調されること”です。
これについてはこのペダルの生みの親、田村進氏が「当時主流だったファズやディストーションペダルの、暴れる低域や耳障りな高域を抑えることで、幅広いスタイルに対応できるペダルにした」と語っています。
またこの特性を活かしてMarshallなどのスタックアンプを使っているメタルバンドがギターソロ時のブースターとしてチューブスクリーマーを使っているというケースもあります。

使用ギタリスト

Joe Bonamassa , John Mayer , Gary Moore , Eric Johnson , Philip Sayce と名前を挙げ出せば枚挙に暇がないですが、チューブスクリーマーの知名度を一気に押し上げ、またTS系を形容する際に最も名前が出るのが Stevie Ray Vaughan だと言ってもいいと思います。 

チューブスクリーマーの歴史

ご存じでしたか、Tube ScreamerはIbanezのエフェクターですが、最初期の”MaxonのOD808”と中身は全く一緒であることを。
それもそのはず発売当時、制作は日伸音波製作所が手がけており、その日伸音波製作所が1971年に立ち上げたエフェクター販売ブランドがMaxonなのです。
当時IbanezはMaxonにエフェクターのOEM発注を行っており初期のMaxonとIbanezのエフェクターは名称は違えど基本的に中身が同じものが多かったのです。(ちなみに楽器メーカーにおけるOEMは珍しい事ではなく、フジゲンがその最たる例でしょう。)
ちなみにチューブスクリーマーの名称はニューヨークの楽器店 Sam Ash の社長の息子がこれの試作機を弾き「これはチューブスクリーマーだ!」と叫んだ事が由来であると言われています。

TS808は1982年に生産終了となっており、その後は TS9、TS10、TS7、TS9 Reissue、TS9DX と製造が続けられてきました。
2002年、ここでIbanezは全てのエフェクターを自社で製造し始めMaxonとの提携は解消になります。
その後2004年 TS808 Reissue が発売されました。
さらに2008年プリント基盤ではなくハンドワイヤード、また、トゥルーバイパスになった新しい機種、 TS808 HW が発売となります。
2014年には発売35周年を記念して3500台限定で当時のTS808を完全再現した” TS808 35th Anniversary Limited Model”が発売されました。
同年Boostチャンネルが追加された TS808DX も発売となります。
2015年、ミニサイズ化された TSMINI が登場。
2018年、新世代の真空管”Nutube”を搭載した NTS Nu Tube Screamer が登場。
2019年、Vemuramと共同開発された TSV808 が登場。
と、Ibanez TS808は最先端のものとのコラボも厭わない姿勢を持ち、そして当時の流行を作り続けてきました。

まとめ

TS808とTS系のここまでの歴史を誇り、現在も時代のニーズ、流れを捉えて進化を続けているエフェクターは他にはないと思います。
これまでに35万台ものTSとその派生モデルを出荷してきた実績を誇るこの系譜はさまざまな名手とともに時代を作ってきたと言っても過言ではないでしょう。
ちなみに現在、1979年発売当時のTS808は10万円を超す高値で取引される事もあるそうです。
最後に、この記事がみなさんの今後の音楽ライフに 少しでも役立つ事を祈っています!

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